【書評】鈴木宣利の気になるマイ本256冊★「新・プラットフォーム思考」 | 【ビジカン!】鈴木宣利のビジネス感性研究所

【書評】鈴木宣利の気になるマイ本256冊★「新・プラットフォーム思考」


スズセンのビジカン!-プラットフォーム思考


★「新・プラットフォーム思考」

たった一人で組織を動かす

著 者  :平野敦士カール
出版社:朝日新聞出版


会社の業績が悪化してくると真っ先に
することがある。

それが経費の削減だ。

予算は一律20%カット。
さらにボーナスも10%カット。
最終的には、人員削減がメインの
リストラがはじまる。

しかし、この考え方、少しおかしいと
思いませんか。

なぜなら、すべて数値中心の考え方だからだ。
確かに売り上げが落ちた分、経費をカットすれば、
その分の利益が確保できる。

では、また売り上げが落ちたら、またカットするの
だろうか。固定費の削減には、限界がある。
負のスパイラルに入り、プラス思考の
発想はそこにはない。
どうやって売り上げの数値をつくるかだ。

どこかで、売り上げを高めるための知恵がなければ、
結局、企業生命は終わりである。

著者は、本当に自分の会社で売っているモノ、サービス
は、自分自身が懐を痛めても買いたいモノ、サービスか
どうか検討しろと言う。

つまり、「本源的欲求」かどうかを認識しろと。

著者は、元NTTドコモで、iモードやおサイフケータイ
のプロジェクトを推進し、成功に導いた方だ。
今後、会社や個人が成長し、成果を達成していくためには、
新たな思考法が必要であると言う。
それが、「新・プラットフォーム思考」だ。

昨日、著者とお会いして、最新刊を献本いただいた。
早速、重要な3点を紹介したい。


○リーダーは、新・プラットフォーム思考を持て。

プラットフォームという概念は、大前さんの「新・資本論」
で紹介されたそうだ。

プラットフォーム戦略とは、多くの企業や人を巻き込んで、
ひとつの「場」「舞台」(プラットフォーム)を作り上げて
いく戦略だ。

一社ですべてを行う戦略と違い、多くの人、モノを巻き込む
ことで、すべての人にメリットを提供する方法である。

例えば、ここで挙げている例として
○合コン、勉強会
○商店街やショッピングモール
○Wiiやぷプレステのようなゲーム機器
○iモード、ミクシー、ブログのようなサービス
などだ。

確かにプラットフォームを持つことで、
外部との接点が多くなり、それなしでは成り立たない
状況になりつつある。

最近のグーグルや楽天、そしてアップルのiTunesなど
ネットを使う人達にとって必要不可欠になっていること
からもわかる。

○勝てるプラットフォームの特徴は、3つある。

数年前なら、プラットフォームを作れば、注目された。
しかし現状では、どの企業も「場」をつくろうと
狙っている。

そこで注目されるプラットフォームになるため
には、次の3つの特徴が必要であると言う。

1)自らの存在価値を創出できるかどうか。
2)「場」に参加してもらう人や会社の交流が活発かどうか。
3)プラットフォームのルールをつくり、一定に保つこと。


詳しくは、読んでいただくとして、
プラットフォームをスタートすることは、誰でもできると思う。
しかし、そのプラットフォームを保つには、
上記の3つを高いレベルで保たなければならないだろう。

そこが難しいが、この中ではプラットフォームづくりの
フレームワークも提供しており、順番に考えていく
ことで、企画を容易にスタートできることかがわかる。
あとは、いかに実践するかだ。

○アライアンスを成功させるには、12の鉄則がある。

時代のスピードが速くなっている現代は、一人の力よりも
集合の力のほうが格段に大きく、早く成果をだすことが可能だ。

そこで、著者は、多くの会社や個人とのアライアンスを
組むには、12の鉄則を念頭に置いて進めていると言う。

1)エバンジェリストになる。
2)自分の主張より相手の主張
3)ギブ・ギブ・ギブ&テイク
4)損して得とれ!目先の利益にこだわらない。
5)ライバル他社をも巻き込む
・・・・・・・・・・・・・・・・などなど。
詳しくは読んでくださいね。


この中で、“ライバル他社をも巻き込む”は賛成だ。
なぜならば、従来の日本企業は、すべて自社で完結
しなければいけないと考えていた。しかしマーケット
シェアが変わりならが、技術革新されていく状況では、
いつライバルに飲み込まれてしまうかわからない。

これはどの企業もそうだ。そうであれば、
早いうちからアライアンスの可能性を探り、
自社の脅威を減少させる方向で動くことは、
将来的に自社に有利に働くことになる。

これは、個人であってもそうである。
優秀なライバルは、早くから自分の見方につけておけば、
何倍もの成果を共同で仕上げることができるだろう。

しかし、日本の企業は、「ねたみの文化」があるから
難しい場合もあるが、優秀な人を正しく「認める」と
いうことからはじめよう。

さて、いかがでしたでしょうか。

私は、この本を読んでプラットフォームの必要性
を強く思った。そして、創造するためのコツを
わかりやすく提供してくれているので、
とても理解しやすかった。

会社としても実践できるし、個人としても可能だ。

まずは、身近な幹事さんなどからはじめてみるのが
いいのかも知れない。

えー、幹事さんて関係ないのでは?
いえいえ、幹事が一番メリットがあるようですよ。
詳しくは、本書を読んでみてくださいね。


それではまた、スズセンでした。

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編 集 後 記
===================★

昨日「日本タイトルだけ大賞」のイベントが
ありました。

中身でなく、タイトルだけなので、
どれほどの権威があるかわかりませんが、
タイトルは、本を選定するウェイトの中で8割程度
をしめると思われます。(装丁、推薦も入りますが)

だから、編集者さんは、ぴたっと決まるタイトル
が発案されるまで、何日も悩みます。
(企画段階からOKもありますが)
いずれにしても売り上げの貢献度が高いタイトルは、
充分吟味すべき項目です

そこで、初の第一回の大賞は、
「ヘッテルとフェーテル」になりました。


スズセンのビジカン!-ヘッテルとフェーテル


(お金が減ると増えるという意味と
 ヘンゼルとグレーテルでうまいですね)

この本は、お金にまつわる騙しのテクニックや裏事情の
話しをグリム童話のような物語形式で教えてくれる
面白い読み物になっています。
サラっと読めますので、ぜひ読んでみてください。


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